関西(K)のロック。けど今時のものはやらん。扱うのは1970年代〜1980年代のもん、またはそういうテイストもっとるもんが中心。おもろい音が好きな人は寄ってみてみ。


川村輝夫
「ちこんきディレクターの音楽道」
今回は趣向を変えて、本の紹介をさせてもらいまっせ。
K−ROCKが形成される前、関西には‘K−FOLK’の時代がおましたわな。
高石友也とか‘フォークル’、シューベルツとかの。そんな時期にシーン隆盛の礎となったのは、
当時、AMラジオで敏腕を振るってたディレクターさんたち。みんなが一国一城の主みたいで、職人気質の人が多かったなあ。
それに何より音楽への好奇心と愛情にあふれてた。

今年2月、定年を2年残してKBS(京都)を退職しはった元ディレクターの川村輝夫さんは、そんな時代を代表するバリバリの当事者。
小学校の学芸会でハーモニカを吹き、以降いろんな楽器演奏に親しみ、関西学院大学では伝統あるグリークラブで活躍したという人。
関西のフォーク・シーンのみならず、クラシック、カントリー、ジャズ、ブルース...と興味、人脈も幅広く、地元の月刊誌に今もコラムを執筆してはります。
最近話題の綾戸智絵のことなんか、もう2年も前に書いたはるで。 常に前を向いてはる。

そんなコラムからの文や講演内容の起こし、そして自らの軌跡を書き下ろしたものも加えた本を、川村さんが退職後に出しはったんや。
「ちこんきディレクターの音楽道」(文理閣刊: TEL=075−351−7553/FAX=7560)。

最近ある映画会社の試写室でお会いした時(それもB級SFホラーみたいな映画やってん)、ご挨拶するとやおらカバンから取り出しはったのがこの本や。
「これ、あげるわ」(!)。わて探してたんやがな。‘ちこんき’っちゅうのは、川村さんが趣味で集めてはる「蓄音器」のこと(6台あるとか)で、1000枚はあるというSPレコード(78回転盤)を自宅にある‘土蔵’(レコード室みたいな所ですか)で楽しんではる。

そんな川村さんのこの本は、1950年代からの関西の音楽シーンの貴重な証言集であるばかりか、後輩の音楽・放送人への心得を説いた率直で具体的な「指南書」ともいえまんな。
局長のポストを返上して一介の制作現場のディレクターに自ら志願して舞い戻ったという人だけに、すごい説得力や。

‘自分が聴いてもおもろいと言えるような番組を自信を持って作れ’ (「ディレクター12箇条」より)っちゅうのは、長年番組作りにも携わって来たわてにとっても普遍のテーマですわ。

ま、今日びのラジオ番組(特にまぁFM)がなんで薄っぺらで、おもろないかっちゅうことは(全部が全部とは言うてへんで)これを読んだらわかるんちゃうかなあ。[本体価格:¥1,600]